市場の失敗と株式会社 センターと私大の政治経済・経済分野で高得点を取る!
目次
Ⅰ市場の失敗
Ⅱ株式会社のしくみ
Ⅰ市場の失敗
市場メカニズムが機能しない場合を市場の失敗という
市場の失敗のケース
①独占・寡占(かせん)が行われている場合
②公害などの外部不経済の場合
③公共財の供給の場合
①のケース
独占:1つの市場を1社で占有している状態
寡占:1つの市場を少数の企業で占有している状態
独占・寡占企業がプライスリーダー(価格先導企業)となって価格の決定権を握る
プライスリーダーが設定した価格を管理価格という
管理価格は需要と供給の関係で設定されたのではなく独占・寡占企業が一方的に接待したため、需要がなくても価格が下がりにくい(価格の下方硬直性)
生産者が少ないので消費者が高い価格で買うしかない
②のケース
外部不経済:市場の外部から市場へ影響を及ぼすこと
公害が主な出題例になります
例1:洋食屋を経営していると仮定する
近所にゴミ捨て場ができたせいで悪臭が発生します。悪集のせいで洋食屋さんはお客さんが来なくなりました。
食事がしたくても(需要があっても)、お店に近寄りたくない(供給しにくい)状態が発生(外部不経済の発生)
洋食屋の工夫で対応することができない状態
例2:洋食屋の近所にラーメン屋が誕生
この場合は外部不経済ではない。洋食屋はラーメン屋に対して工夫をしてお客を確保し続けることができる。(価格を下げる・おいしい料理を作るなど)
③のケース
道路や橋は作ったとしても利用者からお金を取ることが難しい
儲けがないから企業が作ろうとしない
需要はあるけど供給がない状態になる
各ケースの対応方法
基本的には政府が介入して対応することになる
①のケース:独占禁止法に基づいて公正取引委員会が規制している
②のケース:環境アセスメントを義務づけ公害を事前に予防する
③のケース:公共事業を行って税金から道路や橋の建設費を出す
政府の失敗:政府の介入によって市場の自由な活動に悪影響を及ぼすこと
政府の市場介入は慎重でなければならない
Ⅱ株式会社の仕組み
株式会社とは
起業する際に株式を発行して出資者からお金を集める
株式を買った人を株主という
起業後に株式を買ってもよい
会社が儲かったら株式を持った人へ配当を渡す
儲からなかったり倒産した場合は株式を買った分だけ損をする
会社の負債すべてを引き受ける必要はない(有限責任)
会社の負債をすべて引き受ける場合は無限責任という
株主総会の説明
会社の最高意思決定機関
会社の経営方針などは株主総会の承認を得ないとならない
一株一票制
会社の経営者である取締役の選出方法
Aさんが50株、Bさんが15株、Cさんが10株持っていた場合は、Aさんの意思で取締役が決定する。B、Cさんの株を合わせても25株にしかならないので、意思決定ができない。
所有者である株主と経営者である取締役は別な人が行うことがある。
株主は会社の所有ではなく配当や株の売買に興味があることが多い
経営者に選ばれても社外から専門経営者(CEO)を呼ぶことがある
コーポレート・ガバナンス(企業統治)
株主の利益を損なう経営が行われないように統治すること
監査役、委員会などが取締役会を監視する
取締役会とは取締役で構成され社長である代表取締役を決める権利を持つ
取締役会が株主総会よりも大きな権限を持つことが多いため監視が必要
企業の社会的責任
ゼロ・エミッション:廃棄物や排出物を出さないこと
メセナ:文化・芸術活動への支援
使ってほしい参考書と問題集
見てほしい記事
質問があればコメント欄かSNSにお願いします
勉強の相談も無料で受け付けているので気軽に連絡してくださいね